循環の家のイメージスケッチ

2010 年 8 月 19 日

「風景に呼応する架構(フレーム)」
家が立つ場所を鳥の目から見るように俯瞰すると、
その場所の特性がちがう視点で見えてくる時がある。
この広域の風景の中に打たれる小さな楔(くさび)のように、
循環の家の骨格は時間の流れに風化しないものであって
ほしいと思った。

    
「1階間取りのスケッチ」
道や車からのアプローチを、
農家や京都の町屋のような土間が受け入れ、
そのまま南の畑に通り抜けられるように。
土間では人々が薪ストーブのまわりに集い、
語り合ったり食事をしたり・・・。
土間に面する板の間は農家の広間のようなイメージ。
寝転がったり、お酒やお茶を飲んだり・・・。
その広間の向こうには静かな畳の間が控える。
炉が切られ、床の間がさりげなく用意されている。
池を眺めながらお茶を一服。
1階も視界が180度広がるけれど、
どちらかといえば、小川の向こうに田んぼが連なり、
地面を這うように視界が遠くに広がっていってほしい。

    
「2階間取りのスケッチ」
1階の土間からやや閉鎖的な北側の階段を登ると、
美しい風景が、劇的に目の前に広がるような演出を、
さりげなくできないだろうか。
調理をしていても、食卓に居ても、床に座っていても、
お風呂に入っていても、朝、歯ブラシをしていても、
「窓辺」に切り取られた風景がいつもそこにある。
風景に包まれたあたたかい部屋が宙に浮かんでいるように。


「外観のスケッチ」
とても大きく雄大な風景の中には、
作り手の作為性はあまりなじまないだろう。
完成した時はやや目立つかもしれないが、
周囲の緑が育っていって、時間が経過して行ったときに、
風景に埋没してしまうほどに(人々が気がつかないほどに)、
普遍的なかたちが理想的だ。

    
「断面のスケッチ」
循環の家は断面のイメージがとても重要だった。
最初に描いたイメージスケッチは断面だったと思う。
緩やかにおおきく広大にひろがる田園風景。
その向こうに見える八ヶ岳や甲斐駒ケ岳。
地面を強く意識し、
パノラマの絵のように広がる美しい山並みを室内に
とりいれたい。
風景に開き、おおらかにのびやかに。
そう・・「1階は土に近く、2階は空に近く」という言葉が、
断面のスケッチの下に書かれた。