Vol.6

冷蔵庫がつくづく不要になる、≪お好みっくすボトリング≫♪

札幌はいよいよ寒さが募ってまいりましたが、みなさんのところはいかがですか?

冬といえば…「ホッとしぇ庵」「あったカット」「窓ベール&ドアベール」エトセトラ…の季節!(くわしくは私の著書『できた!電気代600円生活(北海道新聞社刊)』をごらんくださいませ♪笑)

そして…屋外や暖房のない部屋がまるごと非電化冷凍冷蔵庫と化すため、24時間電気を食べつづける冷蔵庫ちゃんとグッバイするのに、うってつけのシーズンでございます。

そこで本日は、冷蔵庫がつくづく不要になる、とっておきの食品保存法を大公開!

私がこれまで冷蔵庫代わりにやってきた食品保存法は、「発酵」と「天日干し」がメインだったのですが、さらに原始的で拍子抜けするほどカンタンな保存法を教えてくださったのが、先月の帯広講演で保存食講座をコラボさせていただいた、「ソフィアファームコミュニティ」のキャンベルこのみさん。

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「バイオダイナミック育ちの牛がいる」という重要ポイントにおいて、日本で唯一の本格バイオダイナミック農場と言えるこのファームを夫のベンさんと二人で運営しているスーパーウーマン・このみさんは、師走じゃなくても毎日ウルトラ大忙し。

そんな彼女だからこそ編み出されたこのオリジナル技に、私は目からウロコが落ちまくりました。いや〜つくづく、困難は発明の母なんですね〜!


本邦初公開!≪このみ式・お好みっくすボトリング!≫

◆用意するもの:
①保存したい食材(野菜、果物、肉、魚、おかず…など、なんでも。ただし、熱を通すことを前提に♪)
②空きびん(煮沸不要!でも、いちおう洗ってね♪)
③ビンの高さより深い鍋
④熱いビンをつかんで取り出すためのトング(なければ、あるもので工夫)
⑤鍋に入れたビンがすっぽり沈む量の水
⑥鍋から取り出した熱いビンを置いて冷ますための、きれいなふきんかタオル

◆手順:
①保存したい食材を、使うときの利便性を考えながら好みの大きさと形に切り、なるべく空気のスキマをつくらないように空きビンにギュウギュウつめ込む。
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「切るだけでなく、すりおろし人参なども使うとき便利!」by このみさん

②ビンの肩口あたりまで詰めたら、空気をしめ出すために9分目チョイまで水を入れる。(空気には雑菌が含まれているので、空気をしめ出すことで腐りにくくなります。水量は、フタをしめたときあふれない程度に。調理済みのおかずをビン詰めする場合は、もちろん水は入れません)

③入れ終えたら軽くフタを閉め(ギューッと閉めない、という意味)鍋に入れ、ビンのフタがかぶるくらいまで水を入れ火にかける(熱湯にビンを入れると割れる恐れがありますが、水からだと割れません)
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④水が沸騰してビンを入れた鍋がグラグラしてきたら、そのまま約15分間グラグラさせつつ放置(滅菌&脱気中。沸騰していればいいので、必要以上に火が強すぎる場合は調節してください)
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⑤15分たったら火を止め、トングで取り出したビンをタオル(ふきん)の上に置き、フタをギュッと閉めて逆さにして冷めるまで放置しておくと、フタの裏部分も熱消毒できます。
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⑥冷めたとき、フタが凹み気味になっていたら、脱気成功のしるし。できるだけ涼しく暗い場所で保管しておけば、常温で半年以上もちます
(私は2年以上保存してノープロブレムでした)

フタが凹み気味になっていず、脱気が失敗しているようなら、なるべく早めに食べちゃった方がベター。新しいフタならたいてい大成功ですが、古いと失敗することも。でもそれもベンキョーなので、恐れずに。笑)

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この、「このみ式・お好みっくすボトリング」は、要は「さばの水煮缶詰」の、ビンを使った応用版だと私は理解しました。

つまり、生の食材を煮沸消毒しながら熱湯で調理する、というシステム。だから、ガッツリ火を入れて煮たり焼いたりしてしまうよりソフトに熱がまわって半生チックに仕上がり、食材の歯ざわりもシャッキリキープ。食材を水で満たすときに塩を入れれば塩味がしみこみ、砂糖を入れれば甘味がしみこむ、という、新発想のカンタン斬新クッキング法でもあるのです。

この方法を使えば、塩もみした野菜や魚肉は火にかけて調理しなくてもそのまま煮沸調理された状態で保存でき、砂糖をまぶしたフルーツも、ほどよくしんなり。なんとも“ええ加減”の食感をキープしたまま、長期保存が可能なのです。いや〜ほんとにスバラ式ことなり!


応用編!≪このみ式・福神漬け風お好みっくす≫


ごちそうになってあまりの美味しさと手軽さに仰天したので、応用編もお伝えします。

大根や人参を福神漬け風に切ってビンに詰め、あれば昆布などダシの出るものも加え、酢+塩+糖(砂糖・ハチミツなど)を混ぜた漬け汁を野菜がヒタヒタにかぶるくらい入れ、フタをして放置。(まぁピクルスを作るような要領ですね)
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数日〜数週間たってしんなり漬かってきたら時々中身を取り出し、漬け汁を沸騰させて注ぎ入れる……というのをくり返し、味をしみさせながら長持ちさせる。……以上です。
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ピクルスのアレンジバージョンとも言えそうですが、これが何とも美味しくて、おかずとしても、おつまみとしても、混ぜご飯の具としても、はたまた、ごま油で炒めてお醤油と一味でも振ったら、ごはんがススム人気の常備菜としても美味しそうな逸品。これ以外の味付けや食材でも、いろいろ応用できそうですね。

参加者の皆さんも、「うわ〜おいしいね〜!」とビックリ仰天。ついつい手が出る味わいでした。


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このみさん、ベンさん、ダイナミックな知恵とワザをありがとー!ヽ(^o^)丿 

「このみ式・お好みっくすボトリング」、お好みの野菜や食材でじゃんじゃんトライして、冷蔵庫いらずの笑エネウインターを、ぜひお楽しみくださいね〜!