2014.3.22 sat

卒業“乱”文。

卒業シーズンですね。

学校からの卒業。
未成年からの卒業。
現役からの卒業。
古い習慣からの卒業。
これまでの何か からの卒業……

欧米や中国の卒業シーズンは6〜7月で、
その他の国々も卒業の時期は
まちまちのようなので、
3月が卒業シーズン、というのは、
どうやら日本特有のもの。

何かに一区切りつけ
新しい始まりへ向かう大きな節目を、
日本人は、春分とも重なるこの時期に
置いたのですね。

宇宙の流れと呼応していた先人たちの感覚と
それが受け継がれてきた貴重さを再発見しながら、
“卒業
”という節目の奥深さに想いを馳せていたら、

お茶のお稽古のとき師匠に言われた、
「節(ふし)をたくさんつくりなさい」
という言葉を思い出しました。

「お茶を淹れ、
 お客様に味わっていただく。

 その流れの中に、
 たくさんの節をおつくりなさい。

 動作を流してしまわずに、
 一つ一つ節をつくり、
 それぞれの瞬間と向き合うのです。

 節ごとに呼吸を整え、
 頭を下げて、礼をする。

 そうすることで自分が整い、
 謙虚さが身についてゆくのですよ」


始まりと、終わり。
出会いと、別れ。
始業と、卒業。

人の一生は、
そのらせんを日々くり返すことによって、
形づくられてゆくのかもしれません。


あなたはこの春、
何を卒業して、何を始めますか?

私は……
まず このエッセイを書き終えてから、
ひと節つけて、考えます(笑)


2014年3月22日・土曜日