2014.4.11 fri

考える足。

2年前の今日は、私が生まれて初めて、
100キロの道のりを歩き始めた日。

仲間たちといっしょに、
北海道でもっとも電気を使っている札幌市から、
北海道の原発がある泊村まで5日間かけて
電気の道をさかのぼる、
ピースウォークをスタートした日です。

久々にこのときのことを綴ったブログを見たら、
こんなふうに書いてありました。

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

電気の道をさかのぼって歩いた100キロの道を、
札幌まで友達の車で帰りました。

話しながら、歌いながら、考え事をしながら、景色を見渡しながら、
みんなで歩いた道、

川や、山々や、町の風景を見ながら渡った橋、

道しるべになってくれたいくつもの青看板、

排気ガスと車の騒音に満ちたたくさんの暗いトンネル、

潮風を受けながら歩いた遥かな眺めの海沿いの道、

休憩したスーパーやコンビニの駐車場、

泊まらせていただいたお宅の近所の景色……

が矢のように過ぎてゆく車窓を眺めつつ、
車と歩くスピードの恐ろしいほどの違いを感じました。

人間は歩かなくなったぶん、
生き物の感覚を失ってしまったような気がします。


だから今後は、なるべく毎日、
「歩くことをしよう」と決めました。
生きものの感覚を、心身に取り戻すために。

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

冬の間は
雪のない地下歩道くらいしか
歩いていなかった気がしますが(笑)、

札幌もやっと雪が溶けてきたので、
また歩き始めようかな、と、
あの日の感覚を思い出しました。


世界の旅から帰国した2003年の秋に
青信号の横断歩道で
前を見ていなかった車にはねられてから
1年半かけて、

立つことができるありがたさ、
歩くことができるよろこび、
階段を上り下りできることの自由さを、
全身で思い知りました。


去年札幌で聞いた、
人類の進化の道をさかのぼる

グレートジャーニーを成し遂げた
医師で探検家の関野吉晴さん言葉も、
鮮やかに胸に焼きついています。

「人類がもっとも進化した最初のきっかけは、
 何だと思いますか?

 火を使うようになったことでしょうか?
 言葉を持ったことでしょうか?

 ぼくは、二足歩行になったことだと
 思っています。

 それまで四足移動していた動物が、
 二本の足で立ち上がり、歩き始めた。

 それこそが、人類の進化の第一歩だと
 ぼくは思うんです」


二本足で立ち上がったことによって、
広い視野を得て、脳も発達した人類。

四足の車に頼ってばかりじゃ、
もったいないもったいない。


ピースウォークの時に感じた
自由と清々しさを思い出し、

自分の足で移動するよろこびを
また味わいたくなってきました。

外はまだ寒そうだけど、
100キロ歩いたシューズをはいて、
出かけてみるとしようかな。



2014年4月11日・金曜日