Vol.1
眠りの森のタネ
あわてて冬に芽を出したりしないように、光を感じ、季節をよみとり、
絶好のタイミングにのって発芽する時を待っています。
三千年も四千年も生きる森の巨人ジャイアントセコイアの大木だって、
その始まりはひとつぶのタネでした。
一方、どんなに準備がととのっても、発芽しないタネたちがいます。
発芽しないタネたちの一部は、カギをかけて深い眠りにはいってしまいます。
人々の歴史のかたわらで、
何千年も眠りながら、発芽するそのときを待っていたタネがありました。
弥生時代の遺跡から発見されたハスのタネ、
ツタンカーメンのお墓から発掘されたエンドウのタネも、
悠久の眠りから目ざめ、発芽し、花を咲かせてくれました。
京都の平等院の庭からも室町時代のツバキのタネが見つかり、
室町ツバキと呼ばれて親しまれています。
タネは長いあいだ眠りながら、起こしてくれる王子様の到来を待っていたのでした。
春、タネたちが未だ見ぬ世界へ動き始める季節。
カラをやぶり、はじめて触れる土は気持ちよいかな・・
土を持ち上げ、顔をだす、地上はどんな眺めかな・・
まぶしいね・・
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