Vol.9
バイオコミュニケーション
ある真夜中、バクスターさんは、部屋にあったドラセナの木を見て、
植物が根から水を吸い上げる速度をはかれないか、と思いたちました。
そこで、葉っぱにポリグラフの電極をとりつけてみました。
うそ発見機の技師だったバクスターさんは、
その記録表に、人間のように葉っぱが恐怖を抱いている反応パターンを発見します。
植物にも感情があるのか!
バクスターさんは、ドラセナの木をもっと怖がらせてやろうと思いつきます。
葉っぱを燃やしてみよう!
イメージしたそのとき、記録表の線が一番上まで跳ね上がりました。
これが、「バクスター効果」の扉が開かれた瞬間です。
人が頭の中で意志しただけで、ドラセナの木が興奮したのです。
その後、バクスターさんは部屋を出てライターを取りにいきましたが、
戻ってきても、まだ線は大きく揺れていました。
これを見て、バクスターさんの考えが変わります。
再び部屋を出て、ライターをしまい戻ってくると、
記録ペンは最初の落ち着きをとりもどしていました。
有名なこのお話を思い出すとき、ふと部屋の片隅にある植物と目が合います。
わたしたちの部屋にある植物は、わたしたちと感情を共有しているようです。
人間が忘れていても、そっぽを向いていても、植物たちはいつでも全開で、
わたしたちの意識や感情に同調しているのでしょう。
いつもそこにいてくれる植物さん。
よろこびも、悲しみも、共に味わってきたんだね。
無口で奥ゆかしいわたしたちのともだち。
今日も、あなたが待っていてくれる部屋へ帰ります。
ただいま〜〜〜〜!
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