2014.4.4 fri

ステキな発展途上。

「もりびこのサイトは、クリックしてからの
 動作のスピードが遅いな」

あなたはそう感じていらっしゃいませんか?

3月20日の立ち上げから
いろんな微調整をしていくなかで
スタッフ内でいちばんの懸念材料として
話し合われてきたのが、
「スピードが遅いのでは?」ということでした。

WEBのシステムデザイナー氏も、
「ちょっと遅いな、と感じています」とのことで、
今は画像の多さなどは速度に影響しないため、
考えられる原因は
「サーバの当たり外れ」とのこと。

一般的にHPなどを立ち上げるときは、
データを集約するためのサーバを
管理会社からレンタルするのですが、
複数の契約者で一つのサーバを
シェアすることになるので、

他の契約者のサイトにアクセスが集中すると、
他者のサイトの動作スピードが影響を受ける
ことがある、というのです。

「同じ料金を払っているのに理不尽では?」
とWEBデザイナー氏にサーバ会社への交渉を
リクエストすると、こう諭されました。

「もともとサーバはとても高額なもの。
それを安く借りるためにシェアしているので、
不満があるなら他のサーバ会社に変えるか、
サーバを独占契約するしかないんです」

私はこの言葉を聞いて、以前、
バックパックを背負って世界を旅しているときに
出会った日本人青年・Iくんを思い出しました。

あれは確か1999年の春、北京でのこと。
私がもといた広告代理店の北京支社で出会った
アルバイトのパソコン青年・Iくんは、

旅先に持ち歩いていた小さなノートパソコンが
インターネットにつながらず困り果てて助けを求めた
私に、PCの回線状況を腕のいい医者のように
手際よく“診察”しながら、こう言ったのです。

「原さん、実は今日はね、
 インターネット30歳の誕生日なんですよ。
 インターネットは、生まれてからまだ
 30年しかたっていないんです。

 今はみんなが当たり前のようにメールを送ったり、
 インターネットで情報を得たりしていますが、
 それは、世界中の専門家やパソコン愛好者たちの
 失敗や努力に基づく地道な探求の成果であって、
 実はまだまだこの世界は発展途上なんです。

 デジタルの世界はゼロとイチの連鎖でできていて、
 インターネット回線はその信号でつながっています。
 ゼロイチゼロイチ…と果てしなくつながる信号に乗って、
 海の向こうや遥か彼方からも情報が渡ってくる。
 
 その過程でゼロとイチの信号が途切れてしまうことも
 当然頻繁にあるわけで、インターネットがつながる、
 ということは、ほとんど奇跡のようなもの。

 だから、ちょっとくらいつながりにくくても
 簡単に投げ出さずに、
 落ち着いて何度かトライしてみてください」



私はそのとき、
延々と続くゼロとイチでできた長細い橋に乗って
海の向こうからやって来る
音信の姿を想像し、
チンプンカンプンだったインターネットに、
初めて温もりと親しみを感じたのでした。

ピーキュルルルル……
と音が鳴ってインターネットにつながる
電話回線だった当時から、約15年。

コンピュータの世界はめまぐるしく進化中で

日本ではもう電話回線は過去のものとなり、
スピーディーで確実な方法が次々と生み出され、
少しでもつながりが悪かったり

動作のスピードが遅かったりすると
イライラしてしまいがちですが、

こんな魔法のような道具の背景には、
多くの人々の探求と努力、そして
莫大な電力とエネルギーが投じられていることを、
決して忘れてはならないぞ、と、
あらためて自分に言い聞かせました。


あれから15年なら、インターネットは今年45歳?
私とはほぼ同い歳か…

そう考えると、あまり無理難題は要求できないな、
と、身につまされる気もしたり(笑)


今はよりスムーズな動作を目指して
サーバ移転の方向で話が進んでいますが、
よかったらご意見をお寄せ下さい。

インターネットの歴史と未来に心を寄せながら、
ともにステキな進化を遂げられるよう、
最良の道を探っていけたらと思っています。



2014年4月4日・金曜日