Vol.4

冷蔵いらずの、「ビン蔵庫」

こんにちは♪ GWを迎えて札幌もだいぶ春めいてきましたが、日本の南の地域ではもう夏日とか。みなさんの場所はいかがですか?

太陽のチカラが強まる春・夏・秋は、「冷蔵」ではなく、「発酵」「天日干し」で食品を保存している私にとっては、楽しい保存食づくりがグングン進むウキウキシーズン。

このように、煮沸したビンに、いろ〜んな種類の乾物・天日干し食品・発酵食品・つくだ煮…などを少量ずつ保存して、家の中でいちばん涼しい(冬は10度、夏は15度くらい)玄関の下駄箱の上に棚を置き、並べています。

つまり、ここが我が家の「非電化冷蔵庫」。見た目も楽しく、いつまで見ていても電気代はゼロ円(笑)!料理の前には、まるで冷蔵庫の扉を開けるようにリビングルームと玄関を区切っている扉を開けて玄関エリアへ行き、この棚を見渡して「今日のメニューは何にしようかな〜」と考えるわけなのです。

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16太陽光野菜・大根&ニンジン
↑左は切り干し大根、右は切り干しのニンジン&ごぼう。どちらももちろん自家製です。

天日干し食品は、うまみがギュッと凝縮されていて滋味たっぷり。切り干し大根、干ししいたけ、昆布やワカメなどの海藻類は天日干し食品の中でもポピュラーですが、我が家では◆大根&大根葉◆にんじん◆ごぼう◆かぼちゃ&かぼちゃんの種◆ズッキーニ◆トマト◆トウモロコシ◆エノキやナメコなどのキノコ類◆バナナ◆りんご…などの野菜やフルーツはもちろん、◆パン◆ごはん◆漬物◆ケーキ…と、なんでも、以下の干し網へ。
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↑細かいものを干すときは、厚紙の上にのせるとバラバラしなくて取り出すときもラクチンです。

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↑残りものの玄米ごはんを干して3日目。鍋の中に入れたままにしておくと腐ってしまうのに、天日に干しておけば乾燥して腐りません。半生状態で旨味がギュッと凝縮され、噛めばかむほどおいしいスナックに変身。戻しておかゆにしようと思っていたのに、おいしすぎてそのまま食べてしまいました。

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↑「干し飯(ほしいい)」は、昔の非常食。飛脚などもこれを持って走ったとか。口に含めばほどよく戻ってとってもおいしい!少量でも、ボリューム満点です。

天日干しフードは太陽光によって殺菌もされているので安心で、栄養価もアップ。しばらく水につけておくだけで簡単にやわらかい生状態に戻り、滋味たっぷりのおいしさが楽しめて、調理もラクチン。私は「スローなファーストフード」として、大いに活用しています。

例えばパンなどは、カラカラに天日干ししたものを器に盛り熱々のスープやミルクをかけるだけで、コーンフレーク風の主食に早変わり。
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↑内側に銀紙が貼ってある紙のお弁当箱や豆乳パック、ポテトチップの袋などは、日光を反射するので、天日干し用のソーラークッカーにうってつけ♪

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↑クルトンのでっかい版、という感じ。パパッと作れて、おなかも満足です。

天日干しと双璧をなす「発酵フード」も、発酵が進みやすい夏にうってつけの保存食。ドイツ圏の名物料理であるキャベツの塩漬け「ザワークラウド」にヒントを得た野菜の塩漬け「ベジザワー」は、残り野菜をパパッと刻んで塩もみし、出てきた汁ごとビンに詰めておくだけでできる、手軽でおいしい常備菜です。

これは、前回お知らせした「甘いタメ液」同様、手で塩もみすることがポイント。つくり手の手に宿るその人ならではの常在菌が、その人の体にしっくりなじむ、とっておきの味をつくってくれるのです。

2〜3日で乳酸菌発酵し、1週間ほどで食べごろに。漬かりすぎたら調味料として汁ごと炒め物などに使うと、ほどよい塩気と酸味で味わいもよくなり、胃腸も活性化。キャベツ、ニンジン、ダイコンなど、漬物でおなじみの野菜はもちろん、キュウリ、トマト、ズッキーニ…と、我が家では夏野菜もビンごとにチョコチョtコ塩漬けにし、いろんな美味しさを楽しんでいます。
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↑詰めたてのダイコン漬け。乳酸菌発酵が進んでくると、しんなり飴色に変化してきて、フタを空けるとシュワッと気泡が上がってきます。長く置きすぎると酸化して酸味が強くなりすぎ、さらに置いておくとアルコール化しておかずとしての旨味がなくなってしまうのでご注意を。

乳酸菌の働きを活用した発酵食をつづけているとその空間に乳酸菌が住みつき、だんだんと物が腐らず発酵する空間に変化してゆきます。これは冷蔵庫なしの生活を楽しんでいる人々が口をそろえて言っている、実感の事実。長年発酵を生業としている酒蔵などと同じような現象が、自宅にもできあがってゆくのですね。

我が家では、このビン蔵庫スペースに豆乳の1リットルパックを置いておくだけで、わざわざ菌を入れずとも自然と豆乳ヨーグルトに変化してくれるようになり、食べごろを逃さずいただくと、オイシイの何の!買ってきた時はふつうに豆乳として味わい、1週間後はヨーグルトとして楽しむ、と、1本の豆乳で2度美味しい体験をしています。

電気に頼る「冷蔵」とは違う、めくるめく自然食体験が楽しめる「ビン蔵保存食」。太陽と乳酸菌を味方につけて、あなたもワクワク、楽しんでみてくださいね♪

◆くわしくは、笑エネ生活を楽しむ60項目の知恵+手法と、その基礎となった世界の旅のレポートが詰まった著書『できた!電気代600円生活(北海道新聞社刊)』をご覧ください♪
 

◆「ほしい未来は、つくろう」が合言葉のサイトgreenz.jpの掲載記事も、ぜひ読んでみてくださいね〜ヽ(^o^)丿