2014.4.8 the

“交歓”経済。

先日、講演の報酬として、お金ではなく、
「すごく欲しいけど、今は買えないな…」
と思っていたものをいただきました。

それは「布良(ふら)」という
手つむぎオーガニックコットンでできたセーターと、
好きなものが作れるその糸玉2つ。

セーターはさっぽろ布良の店長さんが
私が欲しがっているデザインを知って、
私のために編んでくださったもので、
突然プレゼントされたにもかかわらず、
シンデレラの靴のようにサイズもピッタリ(笑)。

ビックリして、うれしくて、
一生宝物にしようと決めました。

生成り色なのですが、
「着古して汚れてきたら
 薄い色の植物で染めていって、
 最後は藍染めにすればいいのよ」
とのこと。

いつか草木染めに挑戦しようと思って
無農薬玉ねぎの皮をどっさりとってあるので、
まずはそれで挑戦してみようかな…
と、まだ汚れてもいないのに、
今からルンルンしています。

このセーターをいただいたときハタと、
友人が営む「一花屋(いちげや)」という
鎌倉(長谷)の古民家カフェで3年前の
講演時に行った試みを思い出しました。

そのとき私は講演料の物々交換に
チャレンジしてみたいと思い立ち、
友人たちの協力を得て実行したのです。

「現金で支払ってくださる方はお一人1000円を、
 それ以外の方は“私の欲しいものリスト”から
 お好きなものを選んでお支払いください。
 現金とモノの半々でも歓迎します」

というメッセージとともに、以下のように告知。

1オーダー+≪¥1000 または 以下のモノゴト≫

 ・テレホンカード、図書券、各種金券 
 ・マッサージか、エステ1時間以上
 ・ミシン(持ち運べるもの)
 ・旅グッズ(バックパック、テント、寝袋、アウトドア用レインスーツなど)
 ・自然雑貨、自然食品、自慢の手づくり食品
 (オーガニック作物、乾物、保存食、おやつ、パンなど)
 ・オリジナル廃材ART雑貨(廃材ノート、廃材ポストカードなど)の販売先
 ・トークライブの機会(旅話、エコ話など、老若男女に対応できます)
 ・その他、はらみづほが喜びそうなモノやコト(事前にご相談ください)


「どうなるかなぁ…」とちょっとドキドキしましたが、
結果的にみなさんこの提案をとても楽しんでくださり、
さくさんの様々な愛のカタマリをいただきました。

もちろん交通費なども必要だったのですが、
計16500円の現金もいただき、絶妙なバランス。

いただいた品物の中にはお金で買えないものも多数あり、
モノと一緒に、ありがたい情報や、得がたいご縁も授かりました。

「これは、沖縄の高江で採れたパイナップルを、
 私が泡盛で浸けたビン詰めなんです。
 みづほさんにぜひ、高江の米軍基地問題
 のことを知らせたいな、と思って…」


「これはウチのお気に入りの保存食、
 無農薬玄米で手づくりした“煎り玄米”です。
 おやつにも、おつまみにも、非常食にもなって
 とても美味しいので、ぜひ食べてみてくださいね。
 作り方も添えておきます。袋もオーガニックコットン
 で手づくりしたの。食べ終わったら使ってね」

「私は裏白紙や期限切れのチラシなどを使って
 ノートを手づくりして販売もしてるのよ。
 今日は現金を払ったけれど、今度作ったもの
 送るから、ぜひマネして作ってみて!」 

…などなど、物語が詰まったいろんな品をいただき、
感謝と温もりで胸いっぱい。

現金での交換よりもずっとトクした気分になった、
今も思い出すたびに笑顔がこみ上げてくる
愛しい思い出です。


都会でくらしているとどうしても現金も必要なのですが、
実は、お金というチケットでしか交換できないより、
他にもいろんな交換の選択肢があった方が、
楽しくて、安心で、手っ取り早かったりする。

昔は物々交換の方が信頼性が高く
みんなが慣れ親しんでいたので、
ただの紙切れでしかない貨幣は
なかなか受け入れられず、
貨幣交換が市民権を得る
までには
長い時間がかかったそうですが、


貨幣交換の便利さも知った現代の私たちは、
貨幣を多種多様な交換ツールの一種、ととらえ、
経済行為を“互いのよろこびを交換するチャンス”
として楽しむ「モノゴト“交歓”経済」
を始めたら、
今ある様々な社会
問題も、少しずつ
解きほぐされてゆくような気がするのです。



…というわけで、思いがけず久しぶりに
「交歓経済」のよろこびを体験した今回を機に、
自分の「できること」と「ほしいもの」を明記した
「最新版・MY交歓経済リスト」作ってみました。

交歓したいモノゴトが見つかった方は、
どうぞお気軽にお声がけくださいませ〜(笑)。


2014年4月8日・火曜日