2014.4.22 the

世界一美味しいおにぎり。

いちばん好きな食べものは何ですか?

と聞かれたら、私は、おにぎり!と答えます。
それも、「母が握ってくれたおにぎり」と。


幼稚園の遠足、小学校の運動会…
小さいころからいつも、母のおにぎりと一緒でした。

車酔いしてゲロゲロになったあとも、
体調が悪くて食欲がないときも、
なぜか母のおにぎりなら、「食べたい」と思えるのです。


具はたいてい、お手製の梅干と、鮭。
豪華版になると、ときどき、すじこ。

握りぐあいも塩加減も、具とのバランスもちょうどよく、
ごはんと海苔のコンビネーションも絶妙。

カタチはまぁるい三角でキッチリしすぎていず、
全体的にテキトーなところが特徴。

そのテキトー具合がなんともおいしく、
私にとってはどんな豪華なメニューにも勝る
ダントツの逸品なのです。


世界一周に旅立った朝も、
母が握ってくれたおにぎりを持って出発しました。

到着したローマの安宿で、夜、
そのおにぎりの残りを食べ終えたとき、
とうとう日本と切り離されてしまったんだ、と、
ひどく心細い気持ちになり、

でも、最後の一粒まで食べ終えたとき
腹が据わって、孤独の中で武者震いしました。

今もそのときのことを思い出すと、
なんだか自分の原点に戻った気がして、
「裸一貫でもだいじょうぶ」と、
おなかの底から勇気の泉が
湧いてくるような気がします。



今でも埼玉の実家に帰省すると、
私が札幌に戻る日は必ず
おにぎりを握ってくれる母。

年老いて、握るチカラが弱くなった母の
今のおにぎりは、
つかむと形がくずれ、
食べるとポロポロご飯つぶがこぼれたりしますが、
それでもやっぱり、私には最高の味。

ほんとうに美味しくて、
食べると元気が出てくるのです。


自分で握ってもどうしても母のようにはならないし、

どんな料理上手の人が握ってくれたものも、
やっぱり違う。

いったいなぜなのか、とても不思議です。

あ〜、食べたいなぁ…


古民家ライフの高木さんが
森びと今昔ものがたり」のインタビューで話してくださった
“暮らしている土地の微生物が体に入っているから、
地元の木で建てた家に住むと安らぐのかもしれない”
という話にとても共感・ナットクしたのですが、

それでいくと、
母のおにぎりを数え切れないほど食べて育った私には、
おにぎりを通して取り込まれた母の常在菌が、
いっぱい生きているのかもしれません。


今日は、母と、母の双子の叔母の、
確か77歳の誕生日。

お誕生日、おめでとうございます。

あなたが生まれなかったら、
私も、もりびこも、生まれませんでした。

ありがとう。ありがとう。
愛しています。


2014年4月22日・月曜日