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自然派生活オーガニックカレッジ2016(3/5)

合板を使わない家づくり
してますか?

エコロジーライフ花:直井徹男

発表者の二人目は、東京で「エコロジーライフ花」を経営する直井徹男です。森びとの会の現在の代表でもあります。

私は、東京で生まれ山梨で育ちました。
祖父が甲府で大工棟梁をしていて、幼少時代は木の香りに親しんで育ちました。

大学を出て、工務店で働きはじめたのが30年ほど前。そのころ、コストダウンした家づくりを広めていこうという国の動きがあり、材料コストを極限にまで落とすことが求められました。当時は材木屋には国産材はほとんどなく、話をしても「国産材は高いよ」と言われ、手に入れることが難しい状態でした。

上の子が1歳半の時、杉・檜で自宅をリフォームしたかったのですが、国産材の取り扱いがなく、やむなく合板を使いました。ところが、それが原因か、子どもがアトピーになってしまいました。それ以来、無垢の国産材をつかった家造りをすることが自分のテーマになり、独立して直井建築工房という工務店を立ち上げました。

森びとの会に入るのが難しい理由

現在の森びとの会に加盟しているのは、全国で5社です。
ホームページの最初に7つの約束を掲げているのですが、仲間に加わりたいと手を挙げられた方で、この約束をきちんと守れる工務店が5つしかなかったので、そうなっています。
その約束を簡単に説明していきます。

合板は使いません。無垢の木でつくります。

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この約束を守るのが、一番ハードルが高いようです。
「合板使わない家づくりをしてますか?」と聞いてみると、
「高くなります」
「そんな制約があっては家は出来ない」
といわれることがほとんどです。
立ち木を材木に製材すると、切り捨てなくてはならない部分がどうしても多く、木材としての利用率は4割程度になります。合板の場合は、木を薄く剥いて接着剤で貼りあわせて造るので、無駄なく利用でき、歩留まりがとても高くなります。けれどもJAS規格によって防虫剤の使用が義務付けられており、接着剤も大量に使わないとならず、人によっては、化学物質過敏症などの原因になります。今の主流の住宅だと、壁は合板、柱や梁はやはり木を貼りあわせてつくった集成材で、30〜40平米の家で、300〜400枚もの合板を使うことも珍しくないです。けれども私たちは、そのような家は造りません。お客様の大事なお金をつかって家を建てるのですから、自分たちも納得できる木をつかって仕事をしたいのです。

安心な木材だけを使います。

国産材だから無条件で質がよく、安全というわけではありません。自然食品店で安全な食べ物を買うように、素性のたしかな木を選ぶ必要があります。森びとの会では、山や製材所と直接つながっているので、防カビ剤、防腐剤を使っていない、安心できる木で家をつくります。ひとくちに「木の家」といっても、内容は様々なのです。

木以外でも、もちろん自然素材を使います。

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木、土、竹、紙、石…。家はさまざまな素材でできていますが、私たち森びとの会は、木以外にもこだわります。どれも安全性が確かめられたものばかりです。

大工が手刻みをして作ります。

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工業製品を組み立てる「作業者」レベルではなく、素材としての木を使って「職人」レベルの人間が家造りに携わります。一つひとつが違う個性を持つ自然素材を扱っているので、高い技術を持った職人が私たちの家造りには欠かせません。住む人の顔を思い浮かべながら、今日も心を込めて仕事をしています。

山とつながります。

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何らかの形で、直接的に山に恩返しをしたい。その想いから、荒れた山を地ごしらえ(整地)して植林する活動や下草刈り活動をしています。お施主さんを連れての伐採ツアーは好評です。「この木がわが家の大黒柱になるんだ」と、感動されることも。エコロジーライフ花の場合、刻み場がある舘岩まで半日かけて行って、動植物の勉強会や、工作教室をする林間学校的なものを開いています。

自然な暮らしを応援します。

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自然素材を活かした家造りは、ライフスタイルの提案でもあります。どのように木の家のお手入れをしたらよいか。薪やペレットといったバイオマスエネルギーとのつきあい方など、循環する生き方を共に考えていけたらと思います。

厳選しているから一県一社。

かけがえのない仲間として認めていくために、競合しないよう一県一社に限定しています。お互いに工夫を悩みをさらけだし、切磋琢磨できる関係を築いています。

本物の木の家造りを、もっと多くの人に知ってもらいたい

このような家造りをする会社があるということをもっと知ってもらいたいと思い、森びとの会の活動をしています。家造りをするのは、ほとんどの場合、一生に一度のことです。既に家造りを終えてしまってから、「こんな工務店があるのを知っていたら、頼みたかった」と言われないように、日々、広報活動をしています。

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