小姓町の家の構造見学会にいらして下さったのがきっかけで、ほかの工務店や住宅展示場には一切行くことなく、古民家ライフに決めて下さいました。建て主さんの予算内で、出来る限りシンプルな木の家、という大方針で合意し、それをどう実現するかという具体的な手法についてはお任せていただけたので、ある材料で造るなどの工夫ができ、いい家になりました。
外壁はウッドロングエコ塗装。壁の板はすべて、お施主様が古民家ライフの工場に通って、塗装されました。冬の雪をどうやって排雪するかは、山形で暮らす上でとても大切な要素です。この家では、屋根の雪がそばにある側溝に落ちるような屋根勾配と向きにしました。
家の中はほとんど間仕切りがありません。この写真には写っていませんが、階段脇に置いた薪ストーブ一台で、家じゅうがあたたまります。ストーブの設置場所まで土間になっているので、薪を運び込んだり置いたりするのに便利です。
1月にお訪ねしたのですが、冬でもTシャツ一枚と素足で過ごされていました。子供たちは家が暑いからと、寒波の中、半そで半ズボンで外で遊んでいました。
ご主人が消防隊員で勤務が不規則なため、夜中に帰ってきた時など、寝ているご家族に気づかれず休めるよう、玄関のすぐ脇に和室を造りました。赤ちゃん連れで来るお友達の授乳室になったり、お友達やご親戚がいらした時の宿泊場所にもなっているそうです。
正面がカウンターキッチンになっています。
二階にあがるシンプルな階段は、素通しとすることによって空気の流れと明るさを確保しています。土間のつきあたりに見える引戸は、外からの冷気を防ぐために玄関の内側にもうけたもの。これで玄関と室内土間との間に、山形には必須の風除室ができました。
間仕切りのほとんどない、広い空間を成り立たせるために構造計算すると、かなり太い梁が必要となりましたが、おおらかないい味を出しています。夜はこの梁の下にふとんを敷いて、ご家族全員で雑魚寝しています。右手奥にロフトにあがる梯子があります。ロフトはお父さんがひとりで籠もれる場所になっているようです。
その太い梁にはぶらんこがかかっていて、子供たちの大のお気に入りの遊び場になっています。
部屋に分かれておらず、一階と二階とも二つの吹き抜けでつながっているのがこの家の特徴です。空気の流れがよく、家全体が薪ストーブであたたまるのも、そのおかげです。
まだ工事中だった頃の写真をご覧ください。建て方初日を大雪の予報により延期したのですが、延期した当日が本当によく晴れてくれました。青空とクレーンって本当によく似合います。
棟が上がり、屋根がかかったところ。構造体がとても美しくみえています。