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2009年12月14日

循環型社会をめざして vol.3

良いものを永く使う-
リフォームの際には既存の構造や部材を利用することも心がけています。
たとえば以前工事を手がけた『永代の家』では、天井裏に隠れていた何十年と経っている既存の梁に、しっかりと補強して、きれいに磨いて仕上げあらわしとしました。また玄関にあった落とし掛けのスス竹を、リビングにつくった飾り棚に再利用。見慣れて使い慣れていたものが新しいところに活かされるのは、新鮮さも感じられうれしいものです。

サイズの合わない建具も工夫次第で再利用が可能になります。↑の写真の物件では高さと幅ともに寸法が小さかった建具に、上下左右と四方に材料を足してひとまわり大きくして利用しました。足した材料の部分には柿渋に黒のべんがらを混ぜたものを塗り、古い建具との色味の調和をとって自然な仕上がりに。
他にも古い小さな障子の格子部分だけを再利用して、新しい入り口引戸の建具に生まれ変わらせるなども。永く使われパリパリになっている障子紙を水に浸けて糊の部分まではがし、ブラシできれいに掃除をして乾かします。乾いたら新しい材料で框を組んだ中に格子と新しい材料の鏡板をはめ込んで、高さ1800㎜の立派な引戸建具の出来上がりです。

古い道具も充分役割りを果たしてくれます。『舘岩の家』では、舘岩村の古い民家にお住まいの方から譲り受けた自在鈎を、居間のいろりで使っています。何十年と毎日煮炊きに使われてきたものですが、まだまだ丈夫。厳しい寒さの『舘岩の家』では毎年この自在鈎のおかげで、鍋や汁物で体も見た目もあたたかく過ごせています。

『本物は熟成してゆく』と言いますが、まさにその通り。いい材料といい技術でつくられたものたちは、丈夫で永く使っていけるうえに、不用になったときも一通りの使い方だけではなく、さまざまに表情を変えてさまざまな場所で使われてゆきます。ものづくりをすること自体リデュースにはなりませんが、ものを新しくつくる以上、エコロジーライフ花はリユース・リサイクルを常に心がけたものづくりをこれからも続けていきます。また少しでも多くの方に、人間が自然の一部であることを再認識し、身近な『3R』から自然との共生を考えていっていただけたらと思っています。

-おわり-