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2021年01月20日

二世帯のリフォーム

築30年の家を、住みながらリフォームした事例です。長年住んできて問題もでてきていた水回り設備を一新すると同時に、細かな部屋に別れていた間取りを、親世帯が住む1階、子世帯が住む2階を、構造の補強もしつつ、それぞれに大きな空間に構成しなおしました。かなり大胆に間取り変更ができるのが、木造軸組工法のおもしろいところです。

既存の玄関は、道からのアプローチの段差がきついところにあったので、庭から小さな段差であがれるところに玄関を新しくつくりました。新設の玄関の上に太い垂木を流し、大きな庇を張り出しました。これが二階のベランダを支える役目もしています。夏の暑さ、冬の寒さが厳しい家だったので、既存のサイディングの外側に空気層をもうけ、ラスモルタル下地に土壁風ワラスサ入り掻き落としの塗り壁をつくることで、断熱性能を高めました。

ひとつの玄関で二世帯分の靴などを収納するため、杉の無垢材による棚をつくりつけました。

1階LDK。対面キッチンのすぐ脇に洗面所を配して、家事動線をコンパクトにおさめました。

階段で二階にあがったところ。正面の引き戸をあけると納戸。板の模様の柄合わせを意識してつくりました。左手に進むと、二階全体がワンフロアになった空間につながります。

元は細かく部屋にわかれていた2階全体を大きな一室空間に。開放的な吹き抜けを実現するため天井を取り払い、梁をかけ直しました。

元の梁組はこんな感じ。既存の梁の下に添える形で梁を新設。このような大胆な間取り変更ができるのが、木造軸組構造のすばらしいところです。

2階のカウンターキッチンは、クリの無垢材を使って当社の大工が手づくりしました。

シアターコーナー。150インチ電動スクリーンが天井に取り付けてあり、大画面で映像を楽しむことができます。

天井裏のロフト空間から、吹き抜けをみおろしたところ。全体がひとつながりになり、ゆったりと過ごせる空間となりました。

2021年01月20日

丘の上の家

北斜面にすばらしい眺望がひらけた「丘の上」に立つ家です。南側にはすぐお隣の家が迫っていますが、北側にのびのびと広がる視界を家にいながらにして楽しめるように計画しました。

道路から玄関に到るまでのアプローチに2mもの高低差があるので、自転車も人も楽にあがれるよう、竹の柵に沿ってゆるやかな勾配の坂をつくりました。

一階は杉板の横張り、二階は左官屋さんが丁寧に施工した塗り壁です。現場で配合した「土壁風ワラスサ入り」のカキ落とし仕上げです。外壁の杉板の自然塗料は、建て主さまとご友人とで塗りました。

玄関とちょうど反対側から見たところです。写真の左側が、眺望のひらけた北斜面となります。サンルーム、デッキを張り出して、絶景を楽しみながら暮らせるようにしました。手前に張り出した下屋の屋根の上に、主寝室のベランダが乗っています。

主寝室のベランダは「星見台」と呼んでいます。寝る前に夜景を楽しんだり、花火があがるのを見たり。ゆったりした時間を過ごせます。

主寝室。チョウナで仕上げた丸太を組んだ小屋組みが見えています。

2階への階段をあがると、妻面西側に寝室、東側に洗面所と浴室があり、吹き抜け空間に橋のように架かる渡り廊下でつながっています。写真は、正面は、寝室の小窓です。

2階の洗面所。床も壁も天井も、明るい木の空間です。

空が開けた北側からの光が燦々と降り注ぐ浴室。外に出られる、目隠しつきのベランダ付き。

吹き抜け空間と北側の眺望のひらけた大きなガラス窓が気持ちいい1階。冬の暖は、薪ストーブでとります。

ダイニングテーブルからの、丘の上の家ならではの眺め。

自然塗料の塗り塗につくりつけた小棚。こういった細かい造作ができるのも、大工がつくるキッチンだからこそ。

ダイニングテーブルからタイル張りのサンルームにへとつながるガラス戸には、ゆらぎのある模様の型板ガラスを使いました。

サンルームに面した和室は、親御さんが来られた時の客間となります。土壁の中塗り仕上げ。丸窓を配しました。